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【I Promised You The Moon監督インタビュー】210524 a day magazine インタビュー訳

こんにちは、ほっぺです。去年訳したインタビュー記事をこちらに移します。今見ると日本語がわかりづらい部分もあったりもっと良い言葉があるんじゃないかって部分もありますが笑 IPYTMリアタイしてた時が懐かしい…笑 以下、説明とインタビュー記事の訳です。

 

二期放送直前に公開されたP’Meenのインタビュー記事を訳しました。普段記事のような文体で文章を書くことが無く、文章や表現がおかしいこともあるかとは思いますが、大体こんな内容なんだなと参考程度にお読みください。本インタビュー訳が少しでも皆様のIPYTM解釈の手助けになれば幸いです。原文リンクは文末に

 

I Promised You The MoonとTeh, OhaewそしてMean Tossaphonの変化した生活

「まあ寝ていません」
最近どうですかという私達の問いに対して、彼はそう言って笑った。「昨晩は午前5時退勤でした」
画面いっぱいに大きな笑みを見せる若い男性は、朝からの取材のアポに対してまだ大丈夫だと言う。IPYTMの編集作業が休みの日の朝のことだった。
「夢はもうすぐ叶いそうですか?」私達がそう尋ねると、完全に完成した物が公開されるまでにはあと2話分の修正が残っていると彼は答える。

コロナ禍で政治ニュースが人々の日常に影を落とすこの時期に、本シリーズは私達に見るのが楽しみだという生きる理由を与えてくれる。その理由の一つ目に、本作品の一期は国内外でとても好評だったことが挙げられる。次に、本作品は目の前の男性、Mean Tossaphon Riantongが初めて監督するシリーズだということが挙げられる。彼の名は今までもGDHやNadaoの”เลือดข้นคนจาง”、”ฉลาดเกมส์โกง The Series”そして最新作として”Ghost Labฉีกกฎทดลองผี”といったシリーズや数々の映画の制作陣として知られている。

Meenはマハーサーラカーム県出身で、進学時にバンコクに出て来た。チュラロンコン大学コミュニケーションアート学部フィルム専攻にて修士課程、演劇専攻にて博士課程を取り、卒業後は脚本の執筆に携わってきた。監督としてカメラの裏側に立つことが出来、一期の監督であるBossと同じように、彼自身の体験の一部をシリーズの内容に取り入れたいと彼は言った。

Meenにとって、語りたい体験とは演劇に対する熱狂的な思いと地方から大都市に出てくる子どもであったという点である。

彼の人生の一部分と好みが、TehとOhaewというキャラクターが大人へ成長する為の構成の一部として付け加えられた。彼ら2人の今後について気になっている人に、ここだけの話、Meenからヒントをお聞かせしよう。

Q.こうして続編に繋がるほど一期はとても好評でしたが、一期同様に良い物が作れるかどうか、怖さやプレッシャーはありますか?

A.怖い、今でも怖いです(笑み)。座って編集をしていても、どうすれば良いんだ?と編集担当者に愚痴を溢しています。Bossは良いものを作り上げましたから。初めこの話を受けた時は、怖くなどありませんでした。怖くないというのは、「いや、もう完結したじゃないか。綺麗に終わったのにそこに何を続けるっていうんだ」と視聴者が言うのは恐れてはいなかったです。恋愛映画の続編だって、大抵期待外れで観客からも好まれません。しかし、脚本を読んでみたら良かったんです。ここからmaterialを持って来て続きを作れそうだな、と。二期で描く内容が段々見えて来たんです。

本当は、Bossが書いた脚本が一部残っていたので試しに読んでみましたが、私はそこから気に入った所や方向性に合う所を部分的に持ってきました。しかし、やっと一、二ヶ月脚本を書いたというところで、一期の放送が始まりました。作品に対するフィードバックや評判、Bossによるディレクティングの仕方が目に見え始めたのです。Bossは私の想像以上のものを作り上げていて、少しストレスを感じました。Bossと自分のダイレクションは違うと分かりきっていたし、視聴者はBossの作品を好んでいましたから。もし私が自分のスタイルで作ったらどうなるのだろうかと、大きなプレッシャーを感じるようになりました。

今でも毎日そう感じています。そして更にBossがプロデューサーになり、私のサポートに入り始めました。ですが彼は一期の監督をしていた為、少しディレクターのようになることがありました。もしBossが指示を出した場合、私は彼が言う物とは別の物を作ることは可能なのか、と疑問に思いました。どちらの道を選べば良いのか、自分の選んだ作り方でどれだけ自分を表現出来るのか。自分の中で2つの思いが対立し、モヤモヤが生まれたんです。Bossもこの話を生み出した人物の一人でしたから。

Q.本作品の制作にあたり、最もプレッシャーに感じることは何ですか?

A.Bossの世界観に入り込まなければいけないことですね(笑い)。皆さんが待っているのはBossの作った世界線の作品だということは分かっています。更にプレッシャーなのは、本作品が自分にとって初の作品でもあるということです。もしも良い物が出来なかったら、どれだけ酷く反対意見を受けるのか。自分自身の今後の仕事はどうなるのか。そんなことを考えてばかりいます。

Q.では、そのプレッシャーを乗り越える為に自分自身にどう言い聞かせましたか?

A.以前よりは良くなりましたが、今でもまだ乗り越えられていません。特に、脚本執筆時はとてもストレスを感じます。脚本は最も批判を受けやすい部分ですから。読み手が100人いれば、100通りの感じ方があり、とてつもなく大量の意見がある。Nong達への演技指導が始まった時期に、気分が楽になりました。指導を支援してもらう為に、私達はP’ShellとK’Wunを選びました。P’Shellは人生における全てのことに対して思慮深い人で、指導の前に明らかにする為、「この仕事を引き受けた場合、自分にどのような事を求めるのか」とP’Yongに聞いていました。「このシリーズ製作に何を求めているのか」と、私にも聞きました。

私は3つ伝えました。「作品を最高の物にしたい。」それに対して彼は、「もし最悪な物が出来たら悲しくなる、そうだよね?」と続けました。次に私は、「人に好きになってもらえるシリーズにしたい」と言いました。「じゃあ人が好きにならなかったら悲しくなるよね?」彼は続けて問いかけました。一番最後に、「自分にも伝えたい話がある」と答えると、P’Shellも「OK、それなら出来る。伝えたい話なら調整出来る。それを上手く語れば良いのさ。」と乗ってくれました。

それからは主にP’Shellのやり方に従っていました。ストレスがあっても、自分がコントロール出来る部分だけを見て、そして他人と比べる必要など無いと、気にしないようにしました。

Q.当初を振り返りましょう。初めから本プロジェクトは二期制作する予定でしたか?

A.実際の所、本プロジェクトはBossによるMy Amblence制作時から始まっていました。My Amblence終了後、彼は何か短編を発表したかったんです。課題は、公開予定のプラットフォームの方が多くの視聴者を得る為に長編動画の公開を求めていたので、それをどうするかでした。じゃあどうしたら良い?話を膨らませるのか?しかし、Bossは本当に短編を作りたいと主張したので、それなら全体10話、2人の監督で二期作ろうとNadaoが提案しました。

当初、Bossは二期とも自身で手掛けようとしていました。脚本も少し書いていましたが、プーケットでの撮影も同時期に重なりました。脚本家チームは話し合いながら共に考えて作る必要があったので、「このままではBossがチームを見ることはできない、脚本執筆のダイレクションも無い、Bossの撮影が終わったとしても編集作業がある為、脚本に参加する事は不可能だ、当初私達が考えていた計画に間に合わせることが出来ない」というP’Pingの考えから、最終的に新しく別の監督が必要だということになりました。

その時はコロナ初期で、GHOST LABの制作が終わった時期だったので他県にある実家に帰っていたことを覚えています。しばらくマハーサーラカーム県にいました。監督をしてみたいと思っていたので、Bossから電話があった時はとても嬉しかったです。しかし、当時は脚本の執筆に追われていたこととコロナへの不安もあり、今回はやめておこうと思いました。それから1、2ヶ月が過ぎた頃、P’Pingからも制作への誘いの電話がありました。P’Pingの誘いに乗ったのは、「MeenはBossと同じく他県出身であり、地方から大都市に来る人の気持ちはどのようなものなのか取り入れたい。Meenなら、2人の登場人物の物語を作る構想か何かがあると信じている」という言葉があったからです。コロナも落ち着き始めた時期だったので、引き受けることにしました。

Q.一期はTehとOhaewが恋人同士になった所で終わりました。恋愛ドラマは大抵このように幕を閉じますが、本作品の続編を作りたいと思ったのは何がきっかけですか?

A.本シリーズはcoming of ageについての内容なので、私はまだ続きを描くことが出来ると感じました。初恋とは本当に全てが期待通り幸せでいられるものなのか?ということに加えて、一期では語りきれていない部分もありました。Ohaewは自分の人生についてはあまり分かっていないけれど、人間関係についてははっきりと自覚していた。一方、Tehは人間関係についてはとても混乱していましたが、夢については幼い頃から心に決めた目標があった。それらの事を踏まえた上で2人が向き合うことを描けば、二期でもいくつか対立が生まれそうだと。大学生活もそこに追加して。私自身の大学生活も思い返して、地方からバンコクに勉強しにきた子どもということについて描きたいこともありました。自分自身に語りたいことがあり、登場人物自身にも語りたいことがある。つまり、まだ続きを描くことが出来ると思いました。

Q.一期の脚本には、彼ら自身から得た構成要素が一部あったとBillin-PPが語っていましたが、二期にもその様な部分はありますか?

A.あるかと聞かれればありますが、初めから脚本執筆の為に彼らに相談に行くようなことはしていません。恐らく私自身が脚本に取り入れる為に役者達に取材を行うという方法を取ったことが無いからでしょう。今回もそのいつもの癖のまま、つい聞かずに取り組んでしまいました。執筆中に彼らの個性をこっそり観察したり、彼らのインスタグラムを見たりはしたので、きっと知らないうちに彼ら自身からインスピレーションを受けた部分もいくつかあるでしょう。

脚本は私以外に、Ham、Getとチームで執筆しました。N’GetはPP-Billkinと親しいので、彼らの性格から得たアイデアを持ってくることもありました。私もそれを聴き入れ、良いなと思う場合は採用しました。しかし、一期の時の様に座って彼らと話し合いをするということはしていません。それでも、2人が台本を読んだ時には、偶然にも彼ら自身の人生と似ている部分がたくさんあると言っていました。偶然ですけどね(笑顔)。

Q.二期の中で確実に変化する物は何でしょうか?

A.確実に変化する物は時間の移り変わりの多さです。実際、trailerからはまだ分からないかもしれませんが、内容としては一話一年です。

Q.日常の一コマという感じでしょうか?

A.そうですね。それから、一期からのcoming of ageというコンセプトもまだ続いています。

Q.それではTeh-Ohaew達の成長についてはどうですか?

A.(しばらく考えて)2人の成長はとてもはっきりと見えてくると思います。この年はこんな性格なんだな、こんな個性があるんだな、というように。次の年、また次の年とどんどん変化していきます。個性以外にも、ファッションや考え方も大人になっていくのをはっきりと見ることが出来ます。Tehのアホさは健在かもしれませんが、社会に出ることで自分はどう振り舞うべきかは学んでいきます。また、Ohaewも自分自身を見つめ合い始めます。

一期ではOhaewはTehと共に夢を見ていて、雰囲気としては急に演技を好きになったという感じでした。やりたいことが決まっているTehのことを憧れのように見ていました。しかし二期では、Ohaewも友達グループを持つようになり、好きなことも変わっていき、自分自身を今までよりもしっかりと持つようになります。誰の事も何の事も気にしなくても良いと思うようになります。一方、Tehも大人になっていきますが、未だにアホさと物事に対して混乱しがちな所は変わりません(笑い)。

何故なら、一期とは正反対に、見る人を混乱させるような物語に入るからです。一期では、視聴者から見て「お前はあの子のことが好きなんだって!どうして認めないの?」という分かりやすさがありましたが、二期はTehが混乱している場面で視聴者も同様に混乱するはずです。

Q.では、監督の立場から見てBillkinとPPの成長ぶりはどうでしたか?

A.とてもよく出来ていると思います。というのも、私自身は彼らと親しくありませんでした。一緒に仕事をした事が無かったので、今までの彼らがどうだったのかはあまり知りませんが、他の人から聞く事の方が多いです。例えば、二人共のことを知っているP’Yongは「一期よりも演技がとても良くなった」と褒めていました。一期は、突然主人公としてほぼ全てのシーンに出演することになった驚きから、心も身体も準備が間に合っていませんでした。二期では毎回、撮影の前にワークショップ、読み合わせがあり、2人の宿題の量も更に増えました。台本の解釈もしっかり出来ており、その成果が目に見えたのでP’Yongも褒めていました。彼らに直接それを伝えたかは知りませんが、私にはこっそり伝えに来ました。

Q.一期の監督であるBossと共に制作した訳ですが、監督することについてBossから何かアドバイスはありましたか?

A.役者2人についての話の方が多かったです。Boss自身、PP-Billkinとは長い付き合いで、彼らをどうガイドすれば良いのかを分かっている程に親しいので。初めてのカットはOhaewが友達といて泣かなければいけないシーンで、彼のセリフは感情とは正反対のものでした。明るい話をしているのに、泣き出してしまう。初カットでもあったのでPPもまだ感情がそこまで作りきれていなかった為、難しいシーンでした。泣くことが出来ない彼を見て、Bossが私をつついて「Billkinをカメラの後ろに連れてこようか、感情を送ってもらおう」と言ったんです。本当はこのシーンにBillkinはいなかったのですけれどね。私も「そうだな、試してみようか」と答えましたが、心の中では「カメラの後ろに立たせたら泣き出すなんて一体どんな奇跡だよ」と思っていました。最終的には、そうです、本当に泣けたんです(笑い)。これも私がBoss程2人のことを知らないということがよく分かる話ですね。Bossも泣くシーンでは力になってくれることでしょう。

Q.監督を行うという点において、あなたとBossの方向性はどの様な違いがあるのでしょうか。

A.かなり違います。実際、一期と二期は話の流れが明らかに異なっています。一期は落ち着いていて、時間がゆったりと進み、細部まで描いていたり、何もセリフは無いけれど登場人物の動作や仕草で相手への気持ちを表したり、そんな印象がありました。(笑い)そしてBossは人間関係に重きを置いていた為、自分はどの観点から語れば良いのか分からなくなりました。二期ではポイントを変えた方が良いと思い、それがつまり「変化してゆくこと」です。

一話毎に少しずつお互いへの思いが変化してゆくキッカケやステップがあります。彼らが大人に成長するまでにどんな出来事があったかが毎話出てきます。私も改めて登場人物の感情や出来事を解釈する必要がありました。ですので、二期の内容を進める際、結果的には遅くはしていません。理由としては、私が内容を速く語るタイプである為です。もう一つの理由として、年を飛ばして話を語ることを選んだ為、細部まで描く方を選ぶと二期には合わないと感じました。

Q.一期では、地方で育った事などBoss自身の経験を内容に取り入れていました。二期にも自身の経験は入っていますか?

A.地方出身だったことから起きた葛藤を取り入れています。大学内の学生寮については、私自身もかつて住んでいたのでとても気持ちがこもりました。他の人は、脚本を読んだ時「この設定はTehとOhaewの関係性とは結び付かない」と言うでしょう。それでも私は、どうしてもこの設定は入れると心に決めていました。そうしなければ、一期の設定にただ従うだけになりそうだったので。私自身を表現するものは必ず入れたかったからです。

それ以外にも、恋人との喧嘩など恋愛の経験も取り入れています。学業面では、trailerに出てきたOhaewの学部変更があり、私も調べる必要がありました。ある理由から三年の時に学部変更した友人に聞きに行きました。なので、私と友人らの大学時代の日々をそのまま参考にしています。

Q.大学生活を描いたシリーズは腐るほどたくさんありますが、二期は他の作品とはどのような違いがあるのでしょうか?

A.一期でBossが中国語について深く触れていたのと同様に、私は演技について深く触れています。それが本作の魅力だと感じていますし、視聴者が気にいるかは分かりませんが、演劇に関する専門的なことも入れています。ですが、私自身もTehのようにオタク気質な部分があります。Tehが入学し、学びたかったことを学べることの幸せさを理解しています。そこを再現できるよう努力しながら撮影を行いました。

Q.もう一つ、一期でとても印象的だったのが、プーケットという場所をまるで物語のもう一人の登場人物かのように見せていた点でした。舞台がバンコクに移った二期では、バンコクがロマンティックな都市に見えるような場面はあるのでしょうか?

A.努力はしていますが、出来上がった時にロマンティックに見えるかは分かりません。実はバンコクも、2人の関係性に葛藤を及ぼすものの一つです。バンコクを、そこに来て日常を過ごす人の人生に影響を与えるキャラクターにしたかったんです。場所が本当にロマンティックだと感じるようなロマンティックなシーンもありますし、苦しい日常を過ごすシーンもあります。登場人物が道路の側で座って食事しているシーンは都市の雰囲気を表していて良かったです。

Q.リアルで良いと聞きますが、リアルと言えば一期は多くのLGBTQ+の人が、Tehが自分は男性が好きだということを受け入れる葛藤が描かれていた部分にとても共感していました。二期でもLGBTQ+について触れていますか?

A.本当はしようと努めてはいますが、これについては制作時にそこまで気にしていません。LGBTQ+という観点に興味がないからという訳ではなく、何を語れば良いのか分からなかったんです(笑い)。LGBTQ+における恋愛で最も重い部分は「これは事実なんだ」と受け入れる事だと思います。ですが、受け入れる事が出来た後は、他の人と変わらず恋する一人の人間です。もう一つ、私は視聴者に新しい感覚を得て欲しかったからかもしれません。なので、もし私がまだ一期のようにLGBTQ+について続けていたら、例えば、Tehの母親はいつ知るのかということや、せっかくバンコクまで来たけれど、バンコクでも尚TehやOhaewは自分自身を隠さなければいけないということになります。そうしてしまうと、プーケットバンコクそれぞれの個性が同じになってしまうと思ったんです。

バンコクにいる時、二人は新しい環境に出会う必要があります。ですので、「え?お前の性別はどっちなんだ?」と言ってくる、混乱させるような登場人物も新しく出てきたりと、バンコクは惑わせることのある場所だと私は感じます。何でもあり得るんです。Ohaewも自分と同じ系統の友達グループに出会います。一期のような、明るくてノリが良い友達とは違います。より気の合う人と出会い、男性同士についてなど、今まで話したことのないことを話すようになります。

Q.TehとOhaewの関係性について、「trailerを見ると波乱がありそうだ、LGBTQ+は希望通りはならないの?」とネットで言われていました。波乱があると伝えることで、LGBTQ+の人生には波乱が付き物だと印象付けてしまうと思いませんか?

A.そのように言えば大丈夫です。何故なら、LGBTQ+の観点よりももっと別の観点から波乱が起こるので。しかし、どうして本作をストレスを与えるような形にしたのかという点を話すとすれば、coming of ageとは成長するには痛みや辛さを超えなければならないものだと思うから、だと答える事ができるでしょう。作品を考える時、私は「どうすれば多くの人が見てくれるんだろう」と基礎から考えることはしませんでした。自分が語りたいことについてを描く方を選びました。少し波乱があるように見えますが、実際はそれ以上のテイストがあるんです。

Q.では実際はLGBTQ+だから波乱が起こるという訳では無いんですね。全ての関係性に波乱は起こるものだということですね。

A.恋愛映画を見れば二人の間にそのようなことは必ずあります。物語を面白くする為に対立が必ず起こりますね。当初、脚本チームではカップルの喧嘩についてどう持ってくるか苦闘していました。喧嘩の内容は本当にたくさんあるからです。登場人物に合うものを選ぼうと思いましたが、最終的には、一期では大学入試の為に競い合い、夢までを描いていた点を見て、二期は恋人同士である日常での喧嘩について描こうと思いました。それもありかもしれませんが、夢についての話ほどの重さはありません。一期は大胆な描き方だった為、私もそのバトンを受け取り、続きを描く必要があります。そうしなければ、同じ話には見えないでしょう。

Q.今、出来上がった作品に対して満足していますか?

A.今も尚満足しています。どうであれ、自分の好きなものが入っていますから。自分では満足しています。

Q.Nadaoのシリーズ最終話の多くが視聴者からふざけて「Nadao燃やしに行く」と言われがちですが、本作はどうですか?燃やされる機会はありますか?

A.恐らくあります。が分かりません、見てください(笑顔)。

Q.では初めから作品を作り上げた人として、二期から何を得られると思いますか?

A.何も望んでいません(笑い)。私は、ただNadaoがシリーズ制作の機会をくれて、シリーズを通して自分の語りたいことを語る事が出来て、それだけでもう良いです。一つの夢が叶ったような気持ちです。ですが、もし最終的に本作を見たことで視聴者が登場人物と共に成長出来たら良いと思います。全ての人が同じようにそうならなければいけないという程のことは期待していません。視聴者がどう感じるかはその人次第です。

Q.自身の伝えたいことをシリーズで伝えることが出来たと言っていました。あなたが本当に伝えたいメッセージは何ですか?

A.本当は私はえ!ネタバレになってしまいますよ。最終話を見た方が良いですね(笑い)。


原文記事
 https://adaymagazine.com/i-promised-you-the-moon/